然別湖は、大雪山系の豊かな自然の中にあるため、その周囲には貴重な生きものが多く暮らしています。クマゲラやシマフクロウ、オジロワシ、エゾクロテン、モモンガなどがいるほか、ナキウサギも見られます。寒冷な気候を好むナキウサギは、小さな岩穴などを生息場所としており、高地で火山活動の痕跡が残る然別湖周辺は絶好の棲み家。ただ、警戒心が強く、岩穴からなかなか出てこないナキウサギを、直接見るのは難しいかもしれません。
然別湖には、北海道の天然記念物に指定されたミヤベイワナ(オショロコマの亜種)が生息しています。この魚は、然別湖のみに生息している固有種で、他の河川や湖で見ることはできません。2万年以上も昔、火山活動で川が堰き止められて然別湖が形成された際、川にいたサケの仲間のオショロコマが湖に閉じ込められ、独自の進化を遂げたのです。ミヤベイワナは大切に保護されているため、釣りは制限されており、期間(6月上旬〜7月上旬、9月下旬〜10月上旬)と人数限定(1日50人)で、キャッチアンドリリースのみ許可されています。